ファンに感動を届ける、シルク・ドゥ・ソレイユのインスタ活用術

井荻の街のWeb屋さんコラム

ファンに感動を届ける、シルク・ドゥ・ソレイユのインスタ活用術
2018-03-23 | 写真・デザインとSNS | ファンに感動を届ける、シルク・ドゥ・ソレイユのインスタ活用術
2018年2月より日本公演がはじまったシルク・ドゥ・ソレイユのキュリオスでは、随所に観客がインスタに写真をアップしたくなる仕掛けが施されています。しかし、ただ観客に投稿させるだけで終わらないのがシルク・ドゥ・ソレイユ。ファンに感動を届ける、エンターテイナー魂溢れるSNS運用が行われていたのです。

世界最高峰のエンターテイメント集団、シルク・ドゥ・ソレイユ

シルク・ドゥ・ソレイユはカナダのモントリオールに本部を置くサーカス団。超人的なパフォーマンスと芸術的な演出で知られる、ショービジネス界の最高峰に君臨するエンターテイメント集団です。

日本公演は1992年の ファシナシオン | FASCINATION にはじまり、以降は2~3年ごとに新しい演目が来日しています。2018年2月には東京に キュリオス | KURIOS が上陸し、およそ1年半にわたって日本各地で公演が行われる予定です。

私がはじめてシルク・ドゥ・ソレイユのショーを観たのは、2003年公演の キダム | Quidam 。その独特の世界観に魅了された私はすっかりファンになってしまい、チャンスを見つけては国内外でシルク・ドゥ・ソレイユの公演を観に行くようになりました。

今回もさっそくキュリオス東京公演を観に行ってきたのですが、内容の素晴らしさはもちろんのこと、これまでの公演では見られなかったSNSに対するアプローチに驚かされました。観客から新しいファンを獲得し、そして感動を届ける驚きの仕組みが施されていたのです。

SNSに写真をアップしたくなる仕組みづくり

シルク・ドゥ・ソレイユの魅力のひとつに、開場から開演までの間に繰り広げられる寸劇が挙げられます。舞台のキャラクターが客席にやってきて、パントマイムや観客いじりで開演までの時間を楽しませてくれるのです。

今回も開演前の時間から楽しむつもりで早めに会場入りしたところ、写真に囲まれた大型ディスプレイに「#キュリオス #KURIOSで写真を投稿しよう」と表示されているのが目に入りました。どうやらSNSの投稿をリアルタイムで収集し、特定のハッシュタグが付いた写真をディプレイに表示させているようです。

周りを見渡してみると、オススメの写真スポットとしてそれらしい場所がいくつか設けられていました。その中にはなんと「公演のラストシーンで撮影(撮影OKマーク表示後)」の文字が。出演者が勢揃いするショーのフィナーレで写真撮影が解禁されるというのです。

シルク・ドゥ・ソレイユに限らず、ショービジネスの世界では「舞台は写真撮影厳禁」が常識です。ショーのフィナーレのみとはいえ、その常識を破って写真撮影を解禁するということに驚きました。

「これだけSNSへの投稿をプッシュしているのなら、それに乗っかるのも楽しみ方の一つかな!」ショーを観終えた私は、#キュリオス #KURIOS のハッシュタグとちょっとした感想を添えて Instagramに写真をアップしてみました。

写真撮影が解禁されているとはいえ、舞台にカメラを向ける気にはなれなかったのでテントの外観を投稿

「ショーを観にくる前はInstagramにアップするつもりなんてなかったのに、うまく乗せられちゃったな・・・」そんなことを考えながら、その日はショーの余韻に浸りつつ寝床につきました。すると翌朝、予想もしなかったことが起こったのです。

ファンの予想を上回るリターンが、新たなファンを生む

※ここから先は、KURIOSをまだご覧になっていない方にとってのネタバレを含みます。これから KURIOSを観に行こうとされている方は、先に公演を観てハッシュタグ付きでSNSに写真をアップすることをオススメいたします。

ショーの感想をアップした翌日、Instagramをチェックしてみると何人か見慣れない名前のユーザーから「いいね」が届いていました。どなただろうと思ってチェックしてみると、なんと主要キャラクターの KLARA 役を演じる池田一葉さんじゃないですか!

キュリオス日本公演唯一の日本人キャストであり、主要キャラクターのクララを演じる池田一葉さん

他にもショーの冒頭で超絶技巧のジャグリングを披露している Gabriel Beaudoin さんや、旅行カバンを使ったパーカッションが印象的なミュージシャンの Lana Cencic さん、筋骨隆々の肉体でロシアンクレードルを披露する Roman Tereshchenkoさんといった、ショーの出演者の方々から「いいね」が届いていたのです。

Flashback Premiere in Portland!

Gabriel Beaudoinさん(@jugglergab)がシェアした投稿 –

ショーの冒頭から披露される超絶技巧のクラブ・ジャグリングは圧巻の一言でした

この取り組みには本当に驚かされました。まさかシルク・ドゥ・ソレイユの中の人からリアクションが届くとは思ってもいませんでしたし、SNSへの写真投稿を促すコーナーにもそれらしい案内は一切なされていなかったのです。

日本語版の公式サイトにも ハッシュタグを付けての写真投稿を促すページ が設けられていますが、やはり出演者からのリアクションについては説明されていません。ショーを観に来てくれた観客へのサプライズとして、こうしたファンサービスをしているのでしょう。

ミュージシャンでありながらショーの重要な役どころを演じていた姿が印象的です

他の企業でも顧客にSNSへの投稿を促すキャンペーンはよく見られますが、その多くは投稿へのリターンがセットで告知されています。「#○○で投稿して抽選に参加しよう」「フォロー&リツイートでキャンペーンに応募しよう」といった類のものです。

こうした手法でもフォロワーを増やして告知を拡散することはできるので、SNSを活用した集客としては一定の成果をあげることはできるでしょう。しかしシルク・ドゥ・ソレイユのSNS活用法は、その一歩も二歩も先を行っています。

ゼネラル・ステージ・マネージャーの Alan Parry さんからも「いいね」が届いていました。日本滞在を楽しまれている様子が投稿されていて、なんだかこちらも嬉しくなります。

顧客が自主的にSNSに投稿したくなる仕組みをつくり、アクションを起こした顧客に対してサプライズでリターンを用意する。そうするとサプライズを受けた顧客は「リターン目当てのSNSフォロワー」ではなく、その企業の「ファン」になってくれます。体験したサプライズに感激した方は、その体験を周りに伝える広告塔にもなってくれるでしょう。

私もまんまとシルク・ドゥ・ソレイユのファンになり(元々ファンでしたが、より一層好きになりました)、本コラムでシルク・ドゥ・ソレイユの取り組みについて紹介してしまっています。私にとっては「ファンを獲得するためのSNS活用とはどういうものか」を見せつけられた公演となりました。

最後にショーの感想を

公演が終わってからのことばかりを書いてしまいましたが、ショーの内容も最高に素晴らしいものでしたので、最後に感想を書かせていただきます。素晴らしいの一言に尽きるのですが、特に演出と音楽が秀逸だったなという印象です。

私が観た公演では、ソロパートに昔ながらの大道芸の演目が多く採用されていました。クラブのジャグリングやローラーボードのバランス、中国雑技の椅子倒立などです。これらの演目に対する演出が見事で、大道芸が超一流のエンターテイメントにまで昇華されていました。

詳しく書くとネタバレになってしまいますが、舞台上空の使い方が本当によく考えられています。大事なポイントで観客の目線を舞台から上空にコントロールし、これまでに観たことがない世界を体験させてくれるのです。

音楽は全編を通してアコースティックな楽器を使ったパンクミュージックに統一されていて、作品のテーマであるスチームパンクの世界を見事に表現しています。個人的な好みになってしまいますが、ショーの要所で登場するヴォーカルの方が印象に残っています。歌声はもちろんのこと、その演技もとても魅力的でした。

実はこの原稿も キュリオスのサウンドトラック を聴きつつ、ショーのことを思い出しながら書いています。ですが思いのほかBGMが気に入ってしまい、原稿を仕上げてもしばらくは作業中BGMがキュリオスになってしまいそうです・・・

最後に取って付けたような感想 & 宣伝になってしまいましたが(笑)素晴らしいショーであることは間違いありません。エンターテイメントの最前線を走りつづけるシルク・ドゥ・ソレイユと、その一歩先を行くSNS運用に興味がある方は、ぜひ一度キュリオスのショーをご覧になってみてください!

ライター:石川晃司
カテゴリ:写真・デザインとSNS
公開日:2018年03月23日

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